二〇〇五年、ブッシュは何をやるのか―日本はどう生き残る

今さらながら1月発行の本書を読み、第2次ブッシュ政権が世界に対してどう振る舞っていくか等を考える。日本のマスコミではほとんどみられない(というか報じない?)アメリカ政権戦略の裏をかいま見れる情報もあり、有益だった。
以下視点メモ。

  • 軍事的な技術の進歩は驚くほどの速さで進行しており、米軍を世界各地に展開、駐屯させる必要はない。
    • 高性能爆弾・ミサイル、最新鋭潜水艦(原潜)、IT技術の軍事への応用は旧来の軍体制を冷戦時の遺産にする
    • アメリカ軍の再編、配置転換(トランスフォーメーション)の進展
    • 中国への軍事的優位は確実であり、台湾海峡への牽制も有効に機能 台湾独立へ布石
  • アメリカ自身が孤立主義を望んでいることと相まって、「世界の警察」よりも「自国の利益」を優先する。
    • エネルギー戦略への布石、中央アジア諸国へ石油利権を確保するための戦略
  • アメリカ国内の「分裂」、二分化というより個人がそれぞれの方向へ分裂していく。
    • アメリカをまとめる「核」の消失、アメリカ的連帯の支柱、「戦時意識」をどうやって維持するか
  • 日米安保体制の空洞化(アメリカ軍の撤退戦略)によって日本は自衛隊をどうするか等、国家的な岐路にある。
    • 在日米軍の存在意義も中国を軍事的に封じ込められる今、ほとんどない。
    • アメリカなしに自国防衛策をどう構築するのか。
    • もはや日米安保に沿った戦略は過去のものであり、政治的・軍事的自立は周辺国に対しても日本の立場を発言するうえで必要