情報の大切さとそれを活かす技術

久々に読書。以下三冊をを一気に読破する。

吉村昭関東大震災
いつかは起きる首都圏大地震。9月1日に起こったこと、壊滅的な被害を出したこと以外にあまりに無知だったので学ぶという意味でも購入。この本を読んでみてそのあまりの惨状に正直驚く。百年近く前の出来事だが、昨今の大地震に対してもどれだけその教訓が活かされているのか、不安にもなる。特に最大の惨状となった陸軍被服廠跡を襲った火炎旋風の凄さ、在日朝鮮人へのデマ被害の大きさ、この二点については本書でも多くのページを割いている。衝撃を受けるとともに地震予知の進歩というよりも「減災技術」の進歩と情報伝達システムの整備がが本当に大切であることが切実に感じられる本であった。


畑村洋太郎「失敗学のすすめ」
先日の脱線事故でも「複合的な」原因追及をしなければまた大きな事故は起きるかもしれない。単にJR西日本への責任追及だけではなく、その「複合的な」原因を1つ1つ潰していかなければならない。(事故当日のボーリング、宴会への追及だけでなくもっと広い周辺取材が必要だと思うのは自分だけだろうか。)そのためには小さな「失敗」を大きな惨禍をもたらす大きな「失敗」へ転化させないことしかない。そのための「失敗」情報をどう活かすか。この本でもそれを活かす技術を解いていることに印象が残る。表面的な対策、表面的な解決だけでは何もならないことの思いを強くする。


石田晴久「インターネット安全活用術」
これだけ使われているインターネット。その最低限の安全対策、加えて日々進歩しているインターネット技術でもその核となるものは万人が知っておく必要がある。そんなことを感じる一冊である。



新装版 関東大震災 (文春文庫)

新装版 関東大震災 (文春文庫)

 
失敗学のすすめ (講談社文庫)

失敗学のすすめ (講談社文庫)

 
インターネット安全活用術 (岩波新書)

インターネット安全活用術 (岩波新書)