韓国人は、こう考えている

隣人の韓国人は北に対してどう考えているのか。そんな単純な疑問解決の手がかりとなるかなと思い、一気に読了する。出版が昨年末ということで、六カ国協議の膠着状態、北朝鮮の核実験推測報道をふまえたものではないが、おおまかな韓国人の考え方を見通せるものあり、自分の思考のベースとなるものだったかなと思う。
特に終章にもなっている「世代対立」と「異議申し立て社会」を軸に韓国関連ニュースを考えたり見聞きすると確かにうなずけるところが多々ある。本書にも登場する「三八六世代」(今三十代で八十年代に大学生活を過ごした六十年代生まれの世代。韓国社会の中心となっている世代。)と呼ばれる人たちとそれ以下の若者世代は、インターネットの浸透社会という現実も相まってどうも日本人の自分からみても考え方に大きな違いがあるように思えるからだ。竹島問題、歴史認識問題、北朝鮮問題然りである。
翻って日本でも「世代対立」は表には際立たないまでも同じように感じる場面がある。やはり八十年代を境に日本も日本人も大き社会が変動した。ただ、日本社会の中心を担っているのは上記「三八六世代」よりも上の世代であるだろうし、個々人の不満や異議が表に出にくい民族性とも合わせて考えてみると、現在の日本はまだそんなに世代間対立という構図はないのかもしれない。

韓国人は、こう考えている (新潮新書)

韓国人は、こう考えている (新潮新書)