源頼朝 鎌倉殿誕生

大河ドラマの影響で鎌倉幕府は如何に成立したかに興味を持ち読了。自分もやはり「判官びいき」の部分もあるが、日本の日本たらしめている「武家」政権を成立させた源頼朝の役割は大きいことを強く感じる。徳川家康も頼朝を尊崇していたともいうし、故司馬遼太郎氏も日本らしさの始まりは関東の武士団を率いて幕府を興した鎌倉時代あたりにおいている。自分もいわゆる平安期までの日本はどうも外国のような違和感があるし、現代の日本社会の特に精神的な源流は鎌倉にさかのぼるような感がある。東国から都の権威に対するというよりも日本独特の権威併存を基礎を作った頼朝。義経兄弟とのドラマと同時に頼朝が日本に残した「日本らしさ」をもっと知る必要も感じる。加えて鎌倉よりも「東国」、東北の奥州藤原氏との戦いに関しても、どのように日本史に位置づけられるのか再検討することも必要だろう。つまり、源平の合戦と言われる「源氏」「平氏」の二極だけでなく、東北には厳然たる「藤原氏」政権があった。故にその政権への吸収過程にも日本史の視点があることを忘れてはいけないと思うからだ。

源頼朝―鎌倉殿誕生 (PHP新書)

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