天皇と太平洋戦争

もっと現代史を知らなければならないと思い読了。高校時代も日本史ではなく世界史に興味があったので単位もとらなかった。しかし諸外国の歴史を知るにつれ自国史、日本史をより知らなければならないことに気づく。本書では太平洋戦争のターニングポイントになった状況をピックアップし天皇の言説を中心にその実相を解き明かそうとする。
「米海軍の再建の決断と発展」の章、末尾部で書かれていること3点は、現代日本に足りない最たるものに通じて興味深い。

太平洋では日本は米海軍に負けた。その根底には、このような発想の差、軍事戦略思想の差があるような気がしてならない。米海軍は真珠湾で敗けたが、その対応は迅速であり、徹底的であった。教訓の抽出、それに対する思い切った措置、それを具体化できる適材の配置、このあたりが米海軍再建の鍵であった。